10/27(Thu) 根深い問題
 最近は同僚が抱えている山のような仕事を、日替わりメニューで手伝っている。今日は一日現場で以前測量、縦断設計、積算を行った排水側溝の施工準備を行った。排水側溝を施工するに当たり、これに面する各家屋のゲート前に人や車が通れるようパイプカルバートと呼ばれる管を設置するので、これが計画した位置に正しく収まるよう、現場に杭を打っていくのである。ベリーズの側溝は、日本のような蓋の掛かったコンクリート側溝ではなく、ほとんどがガッツリ掘られているだけで蓋が掛かっていない・・・経済的な理由で。この作業を同僚と2人で行ったが、現場で計算しながら進めていく上に、お互いが離れたところに立っているので意思疎通が図れず、最後の方はお互いイライラしてきて、それはもう大変だった。
 夕方に作業が終わり、職場に戻って同僚が話していたこと。明日から始まるこの施工が、法外な額で民間の業者に発注されている。聞けば、この業者は市長と関係があり、市長の独断で発注が決定しているそうだ。明らかに過剰な金額が支払われているが、担当者のレベルでは変更など出来ない。選挙の票集めのためにこういったことは公然と行われているらしい。まあこの国に限ったことではないと思うが。
 このような問題が途上国の発展を阻害する要因の一つであることは間違いない。ただ問題は根深く、改善していくには時間が必要である。とても納得はいかないが、今僕にできることは目の前の仕事をこなしていくことだけだろう。明日は7時に現場だ。
10/26(Wed) 冷え込み
 ハリケーンが過ぎ去り、今週に入ってから急に寒くなってきた。雨もほとんど降らなくなってきたので、いよいよ乾期に入ったと言うところだろうか。特に朝晩の冷え込みは厳しい。これまで就寝時はTシャツ、短パンでも暑いくらいだったのだが、最近はスウェット上下を着用して寝ている。それでも明け方はかなり冷えるので、薄っぺらいシーツにみの虫のようにくるまって寒さを凌いでいる。シャワーも暑い時は一日に2度浴びていたのだが、シャワーの水はぬるま湯なので結構入るのに勇気がいる。以前の家は完全な水シャワーだったので、本当に寒い1月、2月は2日に1度くらいしか入らなかった。とは言え、日中になるとやはり外は暑い。朝の冷え込みはどこに行ったのかと言うくらいで、この寒暖の差が結構堪える。季節の変わり目は体調を崩しやすいと言うので気をつけないと。
 改めて、日本の四季は素晴らしいと思う。ここでは2度しかない季節の変わり目が、日本では4度もあって、体調を整えたり、衣類も替えなければいけないというのはあるが、四季それぞれに異なる景色や味を楽しむことが出来るから。花見をしたり紅葉を楽しんだり、泳ぎに行ったりスキーをしたり、日本酒を冷やで飲んだり熱燗にしたり。何よりも季節が変わる毎に、なんとなく気持ちを一新できるのがいいな。
 とは言え、日本は冬が近づいてきて、寒さが苦手な人にはつらいかな。僕も寒さ対策のために、毛布を購入しないと。
10/25(Tue) 絵心
  ベリーズ人はどうも絵を書くのが苦手なようである。仕事などで、部材など細かい話になると良く理解できないことが多いので、簡単なスケッチを描いて説明してもらうことがあるのだけど、このスケッチがかなりいい加減なものなので、さっぱり分からないどころか、余計に混乱する。同じ長さのものを全然違うように書いたり、位置関係がメチャクチャだったり、どうしてこうなっちゃうのといつも首をかしげる。ただこれは前回の職場でも同じで、今まで見たスケッチはどれも大人が書いた物とは思えないようなものだった。そのせいか、同僚や総務の女性からオフィスのレイアウトや、購入する机のスケッチなどを頼まれたりしている。僕は仕事柄、多少スケッチを書き慣れていることはあるが、そもそも絵はとっても下手な方なのだけど。
 日本では小学校で図画工作の授業があって、絵を描いたり、書き方を教えてくれるので、それなりにみんな絵を上手に書くことができる。ベリーズでも美術の授業はあるらしいのだが、教えられる教師がいないらしく、これが絵を上手に書けない原因の一つのようである。
 ベリーズでは、美術に限らず、音楽、料理と様々な職種の隊員が教師として、小学校や高校で活動している。それぞれかなり苦労しているようだが、彼らの活動がこういった基本的な技能の底上げに貢献していくのだろう。
10/24(Mon) 下水処理
 ベリーズの下水処理について。日本でも下水処理は改善が必要な問題であると思うが、都市部の場合、地下に下水管が通っていて、各家庭から出る生活排水はその管を通り下水処理場に送られ、処分、再利用などされているケースが多いと思う。ここベリーズでは、下水処理システムが整っておらず、基本的に生活排水は各家庭で処理するようになっている。要は、敷地内に汚水浄化槽を設置して、そこに排水を貯め、微生物の働きにより浄化を行っている(ちなみにトイレは水洗なので、日本の地方部で見られる「ぼっとん」とは違う)。最終的に浄化槽に溜まった排水は汲み取られ、河川に流されているそうだが、多くの地域ではこの浄化槽も設置せず、近くの河川にそのまま垂れ流しという地域もまだまだ多いようである。これら多くの浄化されていない排水が河川を通ってカリブ海に流れ込んでいるかと思うと、たまったものではない。
 と、少し汚い話になってしまったが、このような状況の中で下水処理システムの構築が急がれており、今日測量の現場近くで下水処理に用いられるタンクを見かけた。環境保護のため出来る限り早い稼働が期待されるが、例によって財政難のため、下水処理場が建設され供用が開始するのはまだまだ先になるらしい。
10/23(Sun) のんびり
 ハリケーン「Wilma」の影響なのか、土曜の朝、吹き荒れるものすごい風の音で目を覚ましたが、この週末はほとんど家から出ずに過ごした。出たのは、近所に住む隊員宅を訪れたのみ。日本にいた時から家でジッとしているのが苦手で基本的に週末は出掛けていたが、こちらに来てからは月に一度くらい家で何もせず過ごすという時間を作るようにしている。で、家で何してたかと言えば、料理、洗濯、昼寝、読書、英語の勉強、あとはテレビを見ながらゴロゴロしてたくらいである。タップリある時間を使ってかき揚げそばや肉団子の甘酢あんかけを作ったり、600ページの長編小説を読み切ったりした。日本ではあまり本を読む方ではなかったが、JICAの隊員連絡所にたくさんの小説が保管されており、暇を見つけては読書をするようにしている。ちなみに僕のお気に入りは、宮部みゆきと真保裕一である。
 と、あえて書くまでもないような週末だったが、これもベリーズならではの過ごし方かなと思う。十分リラックスでき、また明日から頑張ろうと思う。というより、昼寝のし過ぎで夜眠れなそうであるが。
10/20(Thu) ハリケーン
 日本では今年も台風が猛威を振るったようだが、こちらカリブ海といえばハリケーンである。今年も「Katrine」と「Rita」という大型のハリケーンが、カリブ海沿岸の国々から、アメリカ南部に大きな被害を与え、多くの人が亡くなったり、家を失ったりした。幸い、ここベリーズには上陸しなかったのでほとんど影響がなかったのだが、過去にハリケーンが上陸した際には甚大な被害が出たと言うことで、こちらではこの時期、ハリケーン情報にとても敏感になっている。(ちなみにご存じの人も多いと思うが、ハリケーンの名前はアルファベット順に女性の名前が付けられている)
 そして昨日、観測史上最大級というハリケーン「Wilma」が接近中とのニュースが。瞬間最大風速が250km/h強ということで、118.8km/h以上で「強い」とされる台風と比べればかなりの規模であることが想像できる。同僚達は皆、ラジオやネットからの情報に釘付けになり、対策のミーティングまでが開かれた。JICAも対策として、ベリーズシティに住む11人の隊員がベルモパンに避難、という指示が出され、どうなることかと心配したが・・・今朝職場に行ってみると、全くいつも通り。聞けば、ハリケーンは北上したため問題なしとのこと。こちらに来て一年半、接近中という情報は何度かあったが、実際に上陸したことはない。そもそもここ数年はベリーズシティやベルモパンにはほとんど影響が出ていないようで、ベリーズ人でさえも、どれほど大変なのかはよく知らないらしい。
 ただ先月ハリケーンが直撃したルイジアナ州などのニュースを見る限り、尋常でない被害が出ているようだし、木造や貧弱な造りの家屋が多いベリーズに上陸と言うことになれば、相当な被害が出ることは間違いないであろう。じきに雨期も終わるので、僕自身がハリケーンを体験することはもう無いと思うが、「Wilma」は現在マイアミの方に向かっているようだし、くれぐれも大きな被害が出ないことを祈るばかりである。
10/18(Tue) パソコン
 パソコンの調子が悪い。職場には僕が使用できるパソコンはないので、日本から持参したラップトップを使っている。4年ほど前に購入した東芝dynabook、結構丈夫で重宝していたのだが、とうとうおかしくなってしまった。原因は明らかで、同僚に頼まれて渡そうとしたグラスの水を少しキーボードにこぼしてしまったからなのだけど、それからというものShiftキーやctrlキーがうまく機能しない。全く使えないと言うことはないのだけど、仕事上AutoCADやIllastratorを使う事が多いため大変不便だし、メールやらホームページ作成やら生活レベルでも使用しているので、かなり凹んでいる。
 ベリーズにパソコンショップはあるのだけど、ラップトップはあまり普及していないので直る可能性は低そうである。下手に修理に出して、完全に壊されるのも恐いし。現在の協力隊員でパソコンを持参していない人はかなり少ないと思うし、パソコンが壊れて困っているという話も良く聞く。壊れてみて、改めてかなりパソコンに依存しているなぁということを実感する。とは言っても、ないから何も出来ないと言うことはないし、パソコンが普及してない頃がもちろんあった訳だから、なんとかやっていかねば。
10/17(Mon) 孤立
 月、火は最近職場に行くのがちょっと辛い。この二日はアメリカ人ボランティアのJenが来ていて、職場は基本的にベリーズ人同僚2人と計4人になるのだが、ここのところ僕を除く3人でいつもいろいろ話し込んでいる。仕事のことからプライベート的なことまでいろいろ。今日は「marriage」らしき話題について、ほぼ半日話し込んでいた・・・。僕は話のスピードに着いていけないどころか、みんな僕の存在すら忘れて話に夢中になることもあって、職場に机さえ与えられていない僕としては、そんな時居場所がなくウロチョロしたりしている。ちょっと席を外したら、みんなで出掛けちゃったってこともあった。確かに拙い英語を話す僕より、若いアメリカ人女性と話すのが楽しいは分かるけど。偶に突然僕がいたことを思い出したように簡単なパソコン仕事とか頼まれ、それを1人黙々とこなしていると、ふと「俺の存在って?」という怒りにも悲しみにも似た感情がわいてくる。
 これは若干極端な例かも知れないが、こういった疎外感はこちらに来てから度々感じている。「俺はここで必要とされているのかな」って自分の存在意義を見失いそうになることも。ただこればかりはもっと英語を勉強してコミュニケーションを図っていくほかない。明日は積極的に話しかけよう。
10/15(Sat) 日本文化紹介
 今日はベンケの町で、JOCV主催の日本文化紹介イベントに参加した。ここベンケはちょうど一年前、100周年記念として行われたパレードにJOCVよさこいチームとして参加した場所であり、今年も日本人でイベントを行って欲しいとの依頼を受けたサンイグナシオで活動する隊員の呼びかけにより、町の中心部にある会場でイベントを行うことになった。
 イベントの内容は、展示によるJOCV活動の紹介、習字、折り紙、ヨーヨーすくいの実演&お試しコーナー、日本映画(となりのトトロ)&マツケンサンバU上映、日本クイズ&日本料理などであり、青少年活動、美術、料理隊員を中心に1ヶ月ほど前から準備に取りかかっていた。僕は数名の隊員と共に前日夜から料理隊員の家で、巻き寿司、薩摩揚げ、おやきを作ったり、活動紹介ボードを飾り付けたりと当日朝までかかって、何とか用意完了。小雨降りしきる中、さらに多くの隊員が集まって会場セッティングを行い、いよいよ午後1時開場。
 一週間前の新聞でこのイベントが紹介されていたものの、実際どの程度の人が集まるのだろうかと思ったが、そんな心配をよそにどんどんお客さんがやってくる。日本の景色を写した写真を不思議そうに眺めたり、隊員に教わりながら鶴を折ったり、自分の名前を筆で半紙に書いたり、日本に関するクイズに答えて日本食をゲットしたりと、狭い開場は常にいっぱい。特に隊員の着る浴衣や甚平などはみんな気に入ったようで、一緒に記念撮影をしたりしながら、終了予定の5時を過ぎてもお客さんが入るほどの盛況ぶりであった。
 久々に隊員が集まり、日本のことアピールし、ベリーズ始め海外の人に楽しんでもらい、とても有意義なイベントであった。さらに今回も感じたのが、協力隊員のバイタリティ。現地の人が楽しめるような出し物をいろいろ考え準備し、また打ち合わせもなしで当日来た隊員も、積極的に動いてお客さんの対応をしたりと、みんながそれぞれの役割を果たしていた。あと何よりも、高校時代の文化祭のように自分たちが思いっきり楽しんで、夜のビールは格別に旨かった!

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日 記 5 (05/10/15〜)

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