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 4年半振りのスリランカである。前回帰国する時、また仕事でここに戻ってきたいなと思ってはいたが、本当に戻ってくることになった。今回の仕事は滞在一ヶ月強、スリランカ第一の都市コロンボで発生している交通渋滞対策の一つとして検討される立体交差点の概略設計を行うというもの。また海外に行けるという嬉しさと、久々の日本の夏が・・・、という気持ち半々ながら、スーツケースに荷物を詰め出発。シンガポールで5時間のトランジットを含め15時間、到着したのは現地時間深夜0時半。コロンボ市内のホテルにチェックインして、コロンボの生活が始まった。

【仕事】
 仕事はJICA(国際協力機構)発注の開発調査案件である。つまり、現地政府から日本政府に要請された援助の内容が、実際に効果があるか、施工や住民移転の問題などから実施可能か、などの調査、検討を行うものである。今回の仕事では、コロンボで蔓延している道路渋滞を解消するためのいくつかの施策を提案するのだが、そのうち交差点立体化と道路拡幅の検討を僕が担当した。
 4年前は業務補助であったので、今回は立場が大きく異なる。このプロジェクトの調査団は3社共同で約10名程度であるが、それぞれ専門が違うので、基本的にはそれぞれ各自の判断で進めていくことになる。あまりの検討内容の多さとそれを一ヶ月でどうこなすか、全く要領も分からず。考えすぎて頭痛くなる、夢にまで仕事が出てくる、スリランカ人の英語が聞き取れない、焦りで土日もパソコンに向かわずにはいられない。かなり悩んだがそれも極限まで来ると開き直りに変わり、次第に方向性も見えてきた。最後一週間にはなんとか終わる目処も立ち、アメリカ人同僚の助けを借りてレポートも何とか完了。
 もちろんいろんな人の助けは借りたが、帰国の日にはやり遂げたという大きな達成感を感じた。まだプロジェクトは初期の段階であるが、これがいずれコロンボの渋滞解消に繋がれば、そしてそういう仕事に携われることを嬉しく思う。

【住まい】
 ホテル暮らしである。部屋は無駄に豪華。毎日戻ると部屋はぴかぴかだし、テーブルにフルーツが置かれているし、ベッドはどっちにも寝返り打てるくらい広いし。ただ・・・やはりホテル生活は落ち着かない。自分の部屋という感じは全くないし、自炊もできず、よっぽど狭い日本のアパートの方が居心地は良いくらいである。我ながら贅沢言ってる。
 とは言いつつ、毎日ビュッフェスタイルの朝食に、好きな時にジムやスパに行ったり、なんて生活は日本ではこの先も絶対有り得ないので、しばしの贅沢もいいだろう。

【健康】
 今回一番辛かったのが健康管理。とにかくずっと腹の調子が悪かった。大抵海外行くとちょっと腹下して、その後はすっかり慣れて何でも食べれるのだけど。。。赴任早々食事会等で暴飲食暴食が過ぎたのか、何かに当たったのか、ストレス性のものか分からないが、ずっと胃の辺りに違和感が。美味しいスリランカカレーも食べれなくなり、食欲もなくなって、しまいには夜中胃の痛みで眠れなくなって、結局病院にも行った。その後数日絶食したりして多少良くはなったが、結局ビールを飲んだらまた調子悪くなったりで、最後まで全快することはなかった。原因はよく分からないが、言うまでもなく海外での体調不良は何よりも辛い。団員の1人がデング熱と思われる高熱に数日間魘されたりというのもあり、体調管理の大事さを痛感させられた一ヶ月であった。

【治安】
 とにかく悪い。現在、レバノンの紛争などは取り上げられていると思うが、スリランカの内戦のニュースは日本に届いているのだろうか。スリランカの内戦とは、人口の約8割を占めるシンハラ人とそれに抵抗するタミル人武装グループの抗争であり、4年前に締結された和平協定は今では名ばかりのものとなり、北部で激しい戦闘が続いている。この半年で民間人を含め1000人以上が死んだと言われ、赴任早々、政府の空爆で子供達60数名が死亡というニュースなども流れていた。
 その影響はコロンボ市内にまで及んでいて、警察幹部や政府要人の暗殺が起きている。そして赴任して一週間ほどしたある日、ホテルの近くでテロが起きたとの連絡。聞けば毎日通る通勤路で爆破が起きたらしく、7人が死亡。翌日その現場を通ると、白い壁面には無数の弾痕のような物が残っていた。爆弾はその爆破と共に内部の弾が破裂する仕組みらしく、相当な威力であることが伺える。その後も爆発未遂などが度々あり、気の休まらない日々だった。
 何故こんな小さな国で戦争などするのだろう。被害の多くは罪のない一般市民であり、改めて平和を願うばかりである。

【事故】
 毎日の通勤は車であるが、ある日の夜ホテルに向かって走っていると、突然右から激しい衝撃が。隣に座っていた同僚がその衝撃で吹っ飛んできたほどである。すぐに事故にあったことは分かり、見ると車両の右後方が激しく凹み、相手方も前面にかなりの損傷をおっていた。こちらの人の運転は本当に荒い。いつ事故にあってもおかしくないとは思っていたが。テロも恐ろしいが、交通事故の方がよっぽど巻き込まれる可能性は高く恐ろしい。渋滞の問題は解消しなければならないが、まずは運転マナーを教えるのが先決であろう。

【余暇】
 上述のように、様々な要因で余暇外に出掛けることはほとんど無かった。仕事から解放された週末はとりあえずホテルのプールに泳ぎに行ったが、滞在中3分の2くらいは雨だったので、そんな時は部屋に引きこもり。持ってきた「ダビンチコード」を土日で読み切ったと言う週末もあった。
 ただ最後の週末は、足を伸ばして南へ。日本の戦前を思わせるような脱線でもしそうなオンボロの電車に乗り、3時間掛けてウナワトゥナビーチに行った。コロンボは海に面してるもののビーチはないが、南に行くと美しいビーチが転々とあり、このウナワトゥナはひっそりとした地元民の集まるビーチと言った感じでなかなか雰囲気が良かった。天気がいまいちだったのと、シーズンオフで海があまり綺麗でないのが残念だったが、シーズンになるとサーフィンやダイビングもできるらしいので、ぜひまたシーズンに来てみたいものである。

【友人】
 いるとすれば、パソコン?。仕事中はもちろん、ホテルに戻ってもさしてすることがないので、食事と寝てる時以外はほぼ見つめ合っていた。さすがに途中からウンザリしてきた。
 そして協力隊の友人を通じて、スリランカの隊員と知り合いになった。彼らと食事を一緒させてもらったが、協力隊時代を思い出しながら、仕事を忘れてリラックスしとても楽しい時間を過ごした。海外に来るたび、気軽に話せる友人の存在は大事だなと感じる。

 6週間・・・ベリーズでの2年間に比べれば遙かに短いのだが、なかなか濃い時間であった。始めは気が遠くなるほど長い時間のように感じたが、終わってしまえばあっと言う間だったような。というと、海外生活はいつもそんな感覚の繰り返しな気がする。未だにこの生活には慣れていない。ただその分、毎回新鮮というか、行く度に違う刺激を受けている。しんどい時もあるが、帰る時は必ず良い経験だった、次はもっと頑張ろうと言う気持ちになる。向いているかはどうかは別として、この仕事をしていることを誇りに思うし、もっと頑張っていかなければと感じた一ヶ月だった。
06/08/06〜06/09/14
コロンボ、ウナワトゥナ

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